いい人でいたら、あなたの身体が危ない
こんにちわ。
脳とこころとカラダの専門家
脳科学セラピストの木谷有里です。
今日は、私が大学時代に専攻していたストレス【健康心理学】の分野からのトピックスをお伝えしたいと思います。
実は、ストレスは人間にとってなくてはならないものです。
ストレスと聞いて
ネガティブなイメージしかないかもしれませんが、、、
例えば、産まれたばかりの赤ちゃんは視力がぼやけています。
【光】を視神経が受容することで、これがストレス【刺激】となり、視力がついていき、だんだんと見える(視力が養われる)ようになっていきます。
《つまり、もし、産まれたばかりの赤ちゃんに眼帯などをして一定期間過ごしていたら、視力がつかないということです》
それから、
一般的に良いことと思われるようなエピソードも《結婚、昇進、就職、妊娠、入学&卒業など…》
悪いことのイメージのあるエピソードも《離婚、失業、家族の病気ケガ、近親者の死など…》
心や身体的ストレス反応は同じように起こるということが報告されています。(Holmes&Rahe, 1967. ライフイベントストレスチェックに関するまたいつか→☆)
つまり、
【変化】という
刺激自体がストレスであり、
心や身体へ負荷をかけます。
ですが、同じストレスを受ける環境下に置かれた時でも、心や身体に大きな負担をかけてしまう人と、そうではない人がいます。
ストレスを切り口にした性格傾向の4つのタイプを知り、自分の行動や考え方を見直してみませんか?
ストレスを「感じやすい人」と
「感じにくい人」は何が違うのでしょうか。
それは、日頃の行動や考え方を見れば分かります。
あなたは、
注文した料理がなかなか来ない、
大混雑しているレストランで。。。
「すみません!
料理が来ないんですけど!」
と店員にイライラした顔と声で
文句を言う?
それとも、
遅いのを気にしながらも、
黙って自分の気持ちを抑える?
それとも、自分の注文を忘れられているんじゃないかと心配になってオロオロする?
いずれも、ストレスを感じ、反応しています。
では、ストレスを感じていない人は
どういう人か。
何事もないかのように、料理を待ちつつ、外の景色を眺めながら物思いにふけったりする人です。
このように、同じシーンでも人によってストレスの感じ方やリアクションは違いますよね。
ちなみに、私は、
「全然待てるヒトです」
この話をする時、いつも思うのは、
戦国三代英雄の性格を表現したいとされる
鳴かぬなら‥‥ホトトギスの句。
私なら、
「鳴かぬなら、それもいっか、
ホトトギス」かな。
その話はさておき、本題へ、
レストランで店員に文句を言うのは「タイプA行動パターン」
心臓病学者のフリードマンとローゼンマンが提唱し、【攻撃性】を表す Aggressive の頭文字Aを表した「タイプA」。
競争心が強くてせっかちなで、いわゆる「できるビジネスパーソン」はタイプAに属しやすいのですが、、、(後日ほど追記します→☆)
それから、遅いのを気にしながらも、黙って自分の気持ちを抑える人は、
何でも我慢しがちな「タイプC行動パターン」
心理学者のテモショックによって、ガン発症ハイリスクの性格傾向が報告された「タイプC」。Cancer【ガン】の頭文字 C を表しています。
一方で、何事もないかのように、料理を待ちつつ、外の景色を眺めながら物思いにふけったりと時間を自分主軸に気分転換できる人は、ストレスが少なく心のバランスが取れていて健康な「タイプB行動パターン」
何事もなかったかのようにマイペースな人は、「タイプA」に対して、「タイプB」と分類されます。
そして近年、タイプAと特徴が異なるものの心臓病のリスクが高いとしていわれて注目されているのが、デノレットらによって提唱された「タイプD行動パターン」です。タイプA・B・Cが登場し、アルファベット順にタイプDとしたわけではありませんよ〜。
【悲観・抑うつ・孤独】の意味である Distress の頭文字 D を表しています。デノレットらは、ネガティブな感情と社会的な抑制から構成され「社会的孤独」に陥っているタイプ、つまり不安や抑うつが強いけれども社会でこれらのネガティブな感情を出すことが苦手なタイプを「タイプD」としました。
このように性格傾向と、特有の病に関連性があることがたくさん研究&報告され、実際の医療現場においても、心臓疾患や突然死または高血圧など慢性の疾患と付き合っていく上で、自分の性格や行動パターン見直しましょうという指導がなされているのです。
ここで、やっと、
今日のタイトルの本題です
いい人でいたら、
あなたの身体が危ない!
物静かでまじめ、自分の気持を抑えて周囲に合わせるという、古き良き日本人的な性格のようですが、実は自信のなさや不安、緊張などから自分の意見を出すことができなかったり、他人を優先することを考えすぎて自分の気持ちを抑えて抑えて、
ストレスを溜めまくっていることが多いのが
「タイプC」
自己犠牲的で自分の本心を偽って生きている人(無自覚の場合も含む)、
怒りなどの感情を押し殺し、にこにこしているあなた!
実は「タイプC」かもしれません。
「タイプC」の人は、いわゆる「いい子」で、愛想よく振る舞い、不平を言わない。受動的かつ自己犠牲的、感情を吐き出すのが下手で、特に人づき合いでストレスをため込みやすい傾向があります。「断るのが下手」とも言えるかもしれませんね。周囲に気を遣い、我慢強くて怒りなどの否定的な感情を表現せずに押し殺す、真面目で几帳面なのが特徴です。
例えば、
ケガをしていても、我慢して走り続けてしまう人。
他人に嫌なことを言われてもぐっと我慢してニコニコしている人。
自分より他人の意見を優先してしまう人。
協調性のある行動はできるが、その裏でストレスを多くため込んでいる人。
何度も言いますが、いわゆる「いい人」なのです。しかし、突然、心のバランスを大きく崩してしまう危険性があり、我慢強さが仇となり、ガンになりやすいがこの「タイプC」性格傾向の特徴です。
では、性格と病気が関係するメカニズムとは……?
同じストレス状況でも、性格によって、その感じ方やストレスへの対処(コーピング行動)が異なります。2000年になって広く言われるようなった「レジリエンス因子」も関与していると考えられます。
他者よりストレスを強く感じる人は、抑うつや絶望感などを感じやすくなります。ストレスがホルモン分泌や自律神経系に影響し、抑うつや絶望感などが免疫力を低下させ、病気になりやすいというリスクも同時に持っていることになります。
つまり性格が元で、慢性的に心の負の状態をもたらし、それによって身体の免疫系が正常に機能しなくなり、病をつくってしまうのです。
(このことを、心身相関、ホメオスタシス、神経免疫内分泌相関などと呼ぶ)
テモショックらによって「タイプC」傾向の人に、がんの発生率が多く、また発症した後の症状の経過が良くないということが指摘されました。慢性的なストレスが、免疫系に作用し、ガンなどの腫瘍細胞に対する免疫力を低下させているためではないかと示唆されています。
もちろん、ガンの発症には遺伝的な要素や生活環境の様々な要因が複雑にかかわっていますから、「タイプC」が必ずガンになるわけではありません!
しかし、免疫力はガン細胞の抑制に大きく関与する生体の自己治癒力であり、慢性的なストレスは免疫力(NK細胞)を低下させることも分かっていますから、「タイプC」という性格傾向が、ガン発症あるいは再発のリスクファクターのひとつであると言えるのです。
とても「いい人」ですが、心のバランスが突然大きく崩れる危険性があります。本音を表に出さないため、自覚症状がないまま、心の奥で、怒り、不安感、絶望感を抱え込みやすい傾向が強いのです。この性格は、我慢強くて、不動心の持ち主で「芯ががしっかりしている」などと評価されてしまっていることもあります。でも、実は緊張や不安、不快感などをストレートに表現できずに対人関係や仕事、環境に過剰適応しているために、ストレスを徐々に溜め込んでいるだけかもしれないのです。
ガンは医療情報をきちんと集めて、早期発見し、治療法を精査すれば、治癒する病気とも言われるようになりました。しかし一方で、まだまだ、本当に惜しい方々が闘病の末、亡くなってしまう病気です。
早期発見のための人間ドックや乳がん検査、定期検診なども大切だと思います。
ですが、もし「タイプC」の性格傾向をお持ちでしたら、自分のことを後回しにして、人のことに一生懸命になったりするのを一旦やめてみませんか?
自覚するだけで大きな進歩だと思います。
自分自身を優先順位1位にして人生を送って下さい。
周りの人と楽しいと思える時だけ、
つき合う。
時には自分の意見や感情も適切に
表現してみる。
いい人はやめてもいいんですよ。
あなたはもしガンになったら、
「また迷惑かけてしまう。」って
考えていませんか?
もし「いい人」をやめても、
誰にも迷惑はかかりません。
素敵な「いい人」たちがガンと闘い、亡くなっていく姿を
見送るのは本当辛いです。
世の中の「いい人」たちへ
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